これまで、会計帳簿を作成するには、インストールされた会計ソフトを起動し、会計伝票に基づき作成した仕訳データを、ハードディスクの中に保存するというのが、一般的な作業手順でした。
「クラウド会計」とは、こうした常識をガラリと変える、新しい会計処理アプリケーションの利用スタイルです。会計ソフトの代わりに、インターネットのサーバーを使って作業ができて、作成したデータもインターネット上に保存する。つまり、パソコンで行っていたことを、まるごとインターネット上のクラウドにまかせてしまおう、という利用形態です。データをインターネットに保管することで、場所や端末の種類（パソコン、スマホ、タブレット端末など）を問わず、同じ情報にアクセスできる利便性が注目されています。
従来の会計ソフトには無いクラウド会計のメリットとして、
- ● インストール不要でインターネットが使えればどこからでもアクセス出来る。
- ● WindowsだけでなくMacでも使用が出来る。
- ● 銀行、クレジットカード会社など金融機関の取引明細を取り込み、自動で仕訳を提案してくれる。
- ● 様々な新しいサービスとの連携ができる可能性が高い。
- ● データ保存先がクラウドのため紛失や盗難の心配がない。
- ● ソフトのアップデートが不要であり、常に最新の法規制に対応している。
などが挙げられます。
この中で何より注目を浴びたのは、金融機関の取引明細からの自動仕訳ではないでしょうか。
経理業務の効率化を考えたときに、多くの会社で現金勘定以上に金銭のやり取りが多いであろう預金やカード決済などの取引明細を簡単に取り込め、自動で仕訳をしてくれるという事は大きな時間の短縮になります。
短期間で記帳が出来るのであれば、これまで時間の都合で難しかった月次決算や、自計化の足がかりになるものと言えます。
実際にクラウド会計にて取引明細の取り込みを行うと分かるのですが、金融機関で使用するネットバンクなどのIDやパスワードさえあればいとも簡単に取り込めてしまいます。（対応している金融機関に限ります。）
取り込み後の自動仕訳の精度については、仕訳ルールの学習機能がついているので手動で設定を繰り返すうちに精度は上がり、最小限の訂正で済むようになるでしょう。
逆にデメリットとしては、
- ● インターネット環境にないと使用できないため、急なトラブルでインターネットが使えない際は使用できなくなる。
- ● インターネット環境に依存するためインストール型に比べレスポンスが悪い可能性がある。
- ● 会計ソフトのIDとPASSさえあればどこからでも会社の会計情報が分かるためセキュリティ面で不安が残る。
- ● 現金取引や手形、小切手での取引が多い場合には預金などの自動化だけでは大きなメリットにならない可能性がある。
などが挙げられます。
といったお悩みをお持ちなら、まずは、事業内容・規模や月次の取引内容をお聞かせください。
クラウド会計に関するご不明点やご不安な点を解決し、クラウド会計の導入に伴い発生するメリット・デメリットを洗い出し、そのうえで、クラウド会計を導入するかどうかを一緒に検討していきましょう。
事業承継対策、相続対策、クラウド会計システムを利用したアウトソーシングなど、
経験豊富な専門家を備えた会計事務所、税理士法人アイオンにお任せください。
